漫画制作ソフト『CLIP STUDIO PAINT EX』の基本的な使い方とDaz Studioで作った画像の貼り方。
環境設定
上部メニューの ファイル > 環境設定 > 定規・単位 で長さの単位をmmにしておきましょう。
新規作成
上部メニューの ファイル > 新規 で始める。
作品の用途はコミック。
デフォルト設定は週刊少年ジャンプなどの商業漫画用サイズになっています。
カラーにしたい場合は基本表現色をカラーにする。
最初は1ページ完成させれば十分ですので、複数ページのチェックは外して構いません。
OKをクリックすると原稿用紙が開きます。
原稿用紙の見方
内枠は通常のコマが納まる範囲。
断ち切り線は印刷される範囲。
外枠は絵を描く最大の範囲。
外枠まで絵を描くけど、印刷されるのは断ち切り線までという事です。切断する時にズレる可能性もありますから、余裕を持って絵を描く必要があるという事。
CG漫画でも内枠のコマに納めるか、ハミ出して外枠まで使うか。外枠まで使う場合、文字は断ち切り線の内側に入れましょう。
マウスのホイールで用紙の拡大縮小ができます。
画面左のサブツールメニューにある移動アイコン(手のアイコン)を選択すると、ドラッグで用紙の移動ができます。※私はデフォルトで左端にサブツールメニューがありましたが、環境によって違うのかもしれない。
レイヤーの準備
右メニューに「レイヤー 1」と書かれている枠があります。「レイヤー 1」をダブルクリックして名前変更して「ネーム」にします。
そこで右クリックメニューを開き、 レイヤー設定 > 下描きレイヤー に設定を選択。
下描きレイヤーは書き出し作業をしても表示されません。
再びレイヤーメニューで右クリックメニューを出して、 新規レイヤー > コマ枠フォルダー を選択。
名前は自由に。デフォルトのコマ 1でも構いません。
「枠線を描画」にチェックが入っているのを確認。
線の太さはデフォルトで0.13mm。少年漫画のような力強さにしたいなら0.4mmくらいまでの範囲で設定しましょう。3DCG漫画はコマの枠線を書かない作品も多いです。「枠線を描画」のチェックを外せば枠線は表示されません。
ネームを描く
右レイヤーメニューのネームレイヤーを選択。
左にあるサブツールメニューの鉛筆アイコンをクリック。
そこから下の方にある色設定が黒になっている事を確認しましょう。
白になっている場合は、ダブルクリックして色設定ウインドウを出して黒に変更する。
ネームとは、コマ割り、コマごとの構図、セリフ、キャラクターの配置などを大まかに表したもの。ざっくりした下描きになります。
マウスの左ボタンを押しながら絵が描けます。
あくまで下描きなので、ネームが脳内にあるなら、ネームを描かずに最初からDaz Studioでレンダリングした画像を配置するのも良いでしょう。
ネームが黒線で邪魔に感じる場合は、右レイヤーメニューのネーム枠を選択した状態で、その右上にある青と白の四角いアイコンをクリックするとレイヤーカラーを変更できます。
コマ割り
右レイヤーメニューのコマ枠レイヤーを選択。
その状態で左サブツールメニューのコマ枠アイコンをクリック。
すぐ近くにツールプロパティが表示されます。
分割形状は「直線で分割」。
分割方法は「コマ枠を分割し空のフォルダーを作成」。コマ枠を分割する事で、画像を貼ってもコマ枠外にハミ出なくなるので楽です。
左右の間隔と上下の間隔はコマとコマの隙間。大ヒットCG漫画『ヒメカノ』みたいにコマとコマに隙間を作らないなら、それぞれ0.0にしましょう。
原稿用紙を左クリックするだけでコマが横に割れます。
縦に割りたい場合はクリックしたまま長押しでマウスを上か下に動かす。
失敗したらCtrl+Zでアンドゥ。
ドラッグの動かし具合で斜め線にできるのも理解できるかと思います。
コマを割った後、レイヤーメニューにコマ1~3までが表示されています。コマ名の数字を整えたいならコマ名をダブルクリックして名前変更。
このレイヤーメニューで各コマを選択して編集ができる。まず左上のコマを選択。
左サブツールメニューの操作アイコンをクリック。
サブツール[操作]ウインドウで「オブジェクト」になっているのを確認。
ツールプロパティ[オブジェクト]の別のコマ枠を連動を「連動しない」に設定。連動しちゃうと右上のコマもサイズが変わってしまう。
この状態でコマ枠の辺に表示されている青い●をドラッグで動かせます。
黄色い▲をクリックすると用紙の枠外に合わせてくれる。
左上のコマを外枠より大きくできました。
レイヤーメニューで下のコマを選択。
左右と下の辺の黄色い▲をクリックして枠外に合わせる。
選択したままの状態でツールプロパティ[オブジェクト]の「枠線を描画する」のチェックを外す。そうすれば下のコマの枠線は非表示になります。
Daz Studioで画像を作る
ネームで描いた構図を意識して、Daz Studioで3コマ分の画像を作る。
Daz Studioで作った以外の画像でも良いですけどね。BMP/JPEG/PNG/TIFFらの形式であればCLIP STUDIO PAINTに貼って使えます。
コマに画像を貼る
CLIP STUDIO PAINTの右レイヤーメニューで1コマ目を選択。
上メニューの ファイル > 読み込み > 画像 を選択し、Daz Studioで作った1コマ目の画像を選択。
用紙の中央に画像が出現します。
左サブツールメニューで 選択 > オブジェクト にする。
青い●をドラッグすればサイズを変えられますし、それ以外の部分をドラッグすれば移動できます。
コマをフォルダー分けしてるので、コマの外にハミ出る事はありません。使いたい部分だけをコマ枠内に合わせるだけ。
同じ手順で2コマ目と3コマ目も作る。
3コマ目の上辺の切れ目が気に入らない場合、上辺の黄色い▲を押して外枠から出すのもアリです。画面いっぱいに広がります。
その場合、右レイヤーメニューの並び順で、コマ3が一番下にいる必要があります。並び順が上のレイヤーが上に表示されますから、全体に広げたコマ3が一番上にあると他のコマが隠れます。レイヤーの並び順はドラッグ&ドロップで変更できます。
ふきだし
右レイヤーメニューで1コマ目を選択。
左サブツールメニューでフキダシアイコンをクリック。
サブツール[フキダシ]ウインドウで フキダシ > 楕円フキダシ を選択。
この状態で1コマ目の中をドラッグするとふきだしが作られます。
位置や大きさはサブツールメニューの 操作 > オブジェクト で調整可能。
左サブツールメニューのフキダシアイコンに戻り、
サブツール[フキダシ]ウインドウで フキダシ > フキダシしっぽ を選択。ちなみにフキダシ丸しっぽは心の声で使われるやつです。
これもドラッグで設置できますので、フキダシの枠に合わせて設置。
ふきだしの半透明化
CG漫画では、ふきだしを半透明化している作品が多いです。
ツールプロパティウィンドウ右下のスパナアイコンをクリックしてサブツール詳細ウィンドウを開く。
「塗りの不透明度」を50にすれば半透明になります。
ふきだしを作成前に半透明化設定する事もできますし、作成後のふきだしを選択した状態で半透明化する事もできます。
セリフ
右レイヤーメニューで1コマ目を選択。
左サブツールメニューでテキストアイコンをクリック。
すぐ近くに表示されるツールプロパティ[テキスト]でフォントサイズを指定。
この状態でフキダシ内をクリックするとテキスト入力ができます。ちなみにフキダシ外にも書けます。
テキストの位置がサブツールメニューの 操作 > オブジェクト で調整可能なのは、そろそろ説明しなくてもわかるかと思います。コマ枠、画像、フキダシ、テキスト、なんでも 操作 > オブジェクト で移動とサイズ変更が可能です。
同じ手順で2コマ目と3コマ目にフキダシとセリフを入れる。
書き出し
上メニューの ファイル > 画像を統合して書き出し > (ファイル形式選択) で1枚の画像として出力します。
書き出し設定ウインドウが開きます。
出力イメージは変更する必要はありません。
デフォルトで「テキスト」にチェックが入っています。このチェックを外すとテキストが表示されなくなってしまいます。
下描きにはチェックが入っていないので、下描きレイヤーは出力されないという意味。
出力範囲はSNSやブログでの作品公開なら「トンボの裁ち落としまで」か「トンボの内側まで」が良いでしょう。
「ページ全体」は印刷所に渡す時のサイズです。
拡大縮小時の処理は漫画なので「コミック向き」にしましょう。
一応、説明も書かれています。
パパッとコマを割って画像を貼ってセリフをつけただけですが、CLIP STUDIO PAINTの基本的な使い方は覚えられるかと思います。
CG漫画の解像度
CG漫画は内枠でコマを割らずに、画面いっぱいを使っている作品が多いです。
解像度は統一されたような規格はなく、バラバラです。
1440×2560で仕上げる場合、新規の原稿用紙設定で、
作品の用途を「すべてのコミック設定を表示」
単位(U)を「px」
キャンバスと漫画原稿設定の製本(仕上がり)サイズを「幅1440」x「高さ2560」にする。両方とも同じ値にする事で、用紙の見えている範囲がそのまま仕上がりサイズなので見やすい。
基本枠(内枠)は使わないので0でも良いのですが、使うならマージン指定にして140px程度にしてみる。
出力時の出力範囲を「トンボの内側まで」にすれば1440×2560で仕上がる。
スマホを意識して、縦長、コマ大きめ、文字大きめという作品が多いです。
スマホで読む場合、文字サイズは4.5はほしい。4.0でも読めなくはないけど小さく感じる。5.0は読みやすいが、文字が大きいので長セリフは扱いにくい。
「他の人はどんな解像度やコマ割りにしているんだろう?」というところの確認は、FANZAの3DCG漫画の体験版をダウンロードするのが良いです。体験版は一部の作品にしかないですが、売れている人気作品は体験版を用意していることが多いです。
FANZA同人 作品一覧 ジャンル 3DCG コミック | FANZA
CLIP STUDIO PAINT EX
CLIP STUDIO PAINT EXは高機能な漫画制作ソフトです。
通常は1ヶ月無料ですが、月額利用プランを申込むと3ヶ月無料になります。私は迷わず3ヶ月無料を選択しました。3ヶ月もあれば、自分に必要かどうかの判断はしやすいと思います。
単品購入すると23,000円、PCでの月額利用プランは980円から。
EXよりも低価格なPROもありますが、PROは1ページ制作用なのでイラスト向きです(1ページの漫画もアリですが)。
漫画用にはEXが適しています。
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